2014年6月6日金曜日

ターミナル期の患者さんや在宅介護が困難な方が入所できる施設が少なくて困っています.多くの情報を得るにはどこに相談すればよいでしようか?

<臨機応変な窓□選びを>

総合的な福祉•介護相談窓□として.都道府県単位に設置されているシルパ一110番や市印村の福祉課•地域包括支援センターなどが考えられます.しかし.末期癌などによるターミナル期の患者さんの場合.医療保険を利用しての緩和ケア病棟(ホスビス)への転院も可能なので,都道府県などの保健所(医療相談窓□設置有)やがん対策基本法により設置されているがん対策情報センター.また日本ホスピス緩和ケア協会などのホームページによる情報をもとに各病院などの相談窓□へ相談するのもよいと思われます.


一方.40歳以上で末期癌の患者さんや在宅介講が困難な65歲以上の高齢者などは.介護保険を利用しての介護保険施設への入所が可能です.ただし.市印村において要介護等認定の申請を行ない.要介護1〜5の認定を受けた方が対象です.現在.介護保険施設には.介護療養型病院(2011年度末で廃止)•介護老人保健施設•特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)の3種類があります.なお.40歲以上の末期癌の患者さんの場合など.特別養護老人ホームについては看取り介護抝算を設置している施設が受け入れ可能となります.また.介護療養型病院から転換した介護療養型老人保健施設においても,タ一ミナルケア加算の設置が目安となります.地域の居宅介護支援事業所に相談してもよいでしょう.



経済的な視点として.緩和ケア病棟(ホスピス)では保険自己負担分は高額療養費で上限はあるちのの.食事負担料.高額な個室料など全体としては高額になる可能性があります.もちろん介護保険施設の場合も.要介護度に応じた1割自己負担や居住費(高熱水費.個室料).食費がかかります.しかし.居住費や食費については所得に応じた減免措置があり.自己負担分についても高額介護サービス費において所得に応じた上限があります.相談する場合は.1力月にどの程度の費用がかがるのがを確認することも必要です.

2014年6月1日日曜日

認知症患者さんのケアを簡単に教えてください.

認知症とは.脳や身体の疾患を原因として.記憶•判断力などの障害が起こり.脳のはたらきが低下

した状態です.アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症に大きく分けられます.

人格崩壊.妄想.妃覚といった症状を引き起こすこともあり.曰常生活に支障をきたすことがあります.

多くの場合.他者からの介護を必要とします.

認知症は.早期発見•早期治療が大切です.認知症を完全に治すことはできませんが.

早い時期から治療を受けることによって.服薬などで進行を遅らせることが可能な場合もあります.

認知症は.本人にとっても家族にとってもなかなか受け入れがたいものでしょう.しかし.

「おかしいな」と思ったら,病院を受診することが大切なのです.

家族や介護者が病気の性質を正しく理解して.患者さんの気持ちを安心させることが重要です.



<POINT>

認知症患者の行なっている言動は,正しいと思ってのこと.家族や介護者が病期の性質を正しく

理解し,受け止めることが大事.

介護者自身が気持ちにゆとりを持ち,患者と関わる時間を持つことが大切.できることは生活の

一部に取り入れていき,生活に刺激を与え,生活しやすい環境をつくるよう心がける.

2014年5月16日金曜日

吸入インスリンとは

現在使用されているヒトインスリンは.1921年の発見以来.一般臨床では注射(静脈.筋肉.皮下)

による投与のみが用いられてきました.



インスリン発見後.早期がら注射以外の投与が試みられてきました.

現在まで眼瞼.鼻腔.□腔.上部•下部消化管粘膜など経粘膜投与が試みられてきましたが.広く

臨床応用されるまでには至つておりません.



ながでももつとも実用の可能性があつたのが.吸入インスリンです.その理由は.肺胞表面積が

深呼吸時約100m2 (テニスコ一卜約半分)と広いこと.低分子物質は肺胞からよく吸収されることな

どからです.



そのため.この経路による投与方法の検討が続けられ,実用化に至りました.速効型インスリン製剤

の乾燥粉末が吸入インスリンとして用いられています.



代表的な吸入インスリンとしてエクスペラ (Nektar. Sanofi Aventis. Pfizer社)

HIIP (Human Insulin Inhalation Powder : Eli Lilly, Alkermes社)

AERx (Novo Nordisk社)があり臨床試験結果が報告されています.

最初に挙げたエクスべラは.プリスタ一とよばれるパッケージの中に.インスリンのドライパウダーが

マニト一ル.グリシン.食塩と一緒に入っています.



手動のデバイスの中でプリスタ一を破裂させ.パウダーを均等に拡散させたところで吸い込むよう作

られています.




自身のインスリン分泌が低下している糖尿病患者さんでは.基礎分泌(食事しなくても出ている)

分の皮下注射インスリンと併用が必要な場合もあります.